「桜島のようにいつ噴火してもおかしくないマグマが溜まっている」。ある地銀の幹部は、愛知県名古屋市の中日信用金庫で「虚偽申請」に基づく実質無利子・無担保融資（ゼロゼロ融資）の不正な貸し付けが先月明るみになったことを受けて、「他の信金や中小地銀でも同様の不正融資は間違いなく行われていた」と断言する。中日信金で不正融資の「舞台」となったゼロゼロ融資は、コロナ禍の影響で売上が減少した中小企業の資金繰りを支援するために措置されたもの。民間金融機関では2020年5月から21年3月末まで申し込みを受け付けていた。政府の予算措置をバックに中小企業は最大6千万円まで無利子で借りられ、担保も不要、信用保証協会に支払う保証料も不要だ。つまりコストゼロで手元資金を厚くできるとあって、大半の中小企業がゼロゼロ融資に駆け込み、民間金融機関によるゼロゼロ融資の実績は上述のわ ………