「モテモテ防衛研」政府との軋轢に泣く

ウクライナ戦争でにわかに脚光も政治家、役人は学者に無理解。官僚の「育て方」にも問題あり。

2022年8月号 POLITICS

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ロシアがウクライナに侵攻して以降、にわかに国内で脚光を浴びる組織がある。防衛省のシンクタンク「防衛研究所」だ。テレビでは防衛研究所のロシア研究者や安全保障専門家が連日のように出演し、同研究所に所属する研究者5人が発表した「ウクライナ戦争の衝撃」はベストセラーとなっている。だが、多くの国民にとって防衛研究所はなじみのある名前ではなかったに違いない。それがここに来て露出度が増したのはなぜか。背景を探ると、日本の学術研究をめぐる構造的な問題も浮かび上がってくる。防衛研究所は1952年8月、防衛庁の前身である保安庁の「保安研修所」として発足した。54年7月に「防衛研修所」に改称し、さらに85年に防衛研究所と名前を改めた。戦史研究や地域研究の専門家約90人を擁する組織だ。外務省系のシンクタンクとしては日本国際問題研究所があるが、こちらは公益財団法人であり、外 ………

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