李克強「残留」へ 中国高官「左遷人事」続出

習近平国家主席の「忠臣」たちが飛ばされる一方で、非習派の要人も失墜。秋の党大会に向けた権力闘争が激しくなってきた。

2022年8月号 POLITICS [程遠い「習1強体制」]

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秋に第20回党大会を控えた中国共産党政権で、高官の左遷が相次いでいる。習近平国家主席(党総書記)率いる主流派に不利な異動もあるが、その優勢を示すケースもあり、ポスト争奪の権力闘争は乱打戦の様相。党指導部人事を巡り駆け引きがこれから本格化すると見られる。一連の人事で最も衝撃的だったのは、王毅外相の後任候補として最有力視されていた楽玉成筆頭外務次官の更迭だ。転出先の国家ラジオ・テレビ総局副局長も形式上は次官級だが、事実上は降格。5月下旬から香港メディアで報じられ、6月14日に正式発表された。一部の日本メディアは「畑違いのポストに異動」「冷遇人事」などと慎重に伝えたが、分かりやすく言うと、外務省からの追放・左遷である。主要中央官庁から省より格下の総局への転出は明らかに懲罰人事で、失脚と言ってもよい。

ウクライナ対応の混乱で引責か

王外相は来春で在任10年となり、退任が確実。楽氏 ………

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