追悼/「特捜の申し子」熊崎勝彦逝く

類まれな人たらし――。多くの被疑者を調べたが、1人を除いて全員自白させた伝説の検事。大蔵汚職で苦杯も。

2022年7月号 DEEP

  • はてなブックマークに追加

悪代官を片っ端から退治するかのように、政治家や官僚らを次々逮捕する特捜検察に日本中が目を見張った。5月13日に亡くなった元東京地検特捜部長の熊崎勝彦さんはそんな時代の象徴であり「特捜の申し子」だった。類まれな人たらし。「多くの被疑者を調べたが、1人を除いて全員自白させたぞ」と笑顔で言われると、すぐ合点が行ってしまう。あの世でも元政治家らからかつての悪事を聞き出しているかもしれない。

落ちなかった中村喜四郎

熊崎さんは1942年1月、岐阜県下呂市で生まれた。山に囲まれた地域で、小学生の頃は木を削ってバットを作り、麻の布で巻いた石をボールに見立てて野球ばかりしていた。「山の中でそんな野球の真似事をしていた人が伝説の検事となり、退官後はプロ野球のコミッショナーに転じるなど、誰も想像しなかっただろう。下呂市へ二軍がよく試合に来た中日ドラゴンズは故郷の延長線上にあり、生涯応援し ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービスです。年間定期購読をご契約の方は無料でご利用いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※ご利用いただけるサービスは購読コースにより異なります。詳しくはこちらをご覧ください)。