厚労省の医系技官では「バイオテロ」に対応できない。創設される「日本型CDC」の実行部隊に自衛隊医官を登用すべき。
2022年7月号 LIFE [備えなきを憂う]
サル痘が流行している。世界保健機関(WHO)によれば、6月3日現在、約30カ国で確認され、感染者は760人に達した。10日間で3倍に増加したことになる。日本政府も対応に余念がない。5月27日、後藤茂之厚生労働大臣が、「天然痘のワクチンについてはテロ対策の観点から国内において生産・備蓄を行っております」と説明している。ただ、これだけでは物足りない。世界のサル痘対策は、バイオテロ対策の一環として議論が進んできた。このあたり、日本では十分に認識されていない。本稿でご紹介しよう。
まずは、サル痘の説明だ。ポックスウイルス科のサル痘ウイルスによって引き起こされる感染性疾患だ。「サル」という名前がついているが、リスやネズミなど齧歯類が天然の保菌者で、西アフリカや中央アフリカを中心にヒトでの流行が報告されてきた。サル痘は天然痘の近縁であるが、その臨床像は大きく異な ………
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