特別寄稿/フィンランド・スウェーデン加盟 /「NATO戦略」はどう変わるか/2等海佐 後瀉桂太郎

2022年7月号 POLITICS [欧州「核同盟」の行方]

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ロシアによるウクライナ侵略開始からすでに3カ月が経過した。ウクライナの首都キーウ占領、ゼレンスキー政権転覆といったロシア側の当初作戦目標は達成できず、東部ドンバス地方の制圧についてもめどは立っていない。むしろフィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)加盟を申請するなど、プーチン露大統領の目論見とは逆の状況が生まれつつある。フィンランドとスウェーデンにとり、ロシアに対するバランシングは国家存続の根幹に関わる。歴史的経緯から、両国はNATO加盟あるいは米国など大国との軍事同盟ではなく、中立という立場によってロシアとの関係悪化を回避してきた。スウェーデンが中立政策を変更するのは実に200有余年ぶり、ナポレオン戦争における「対仏大同盟」以来の大変革、ということになる。ロシア海軍唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」や戦略原潜などを擁する北海艦 ………

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