東レ「不正隠蔽」どこ吹く風の日覺社長

「一番嫌いなのは外部の目とか第三者」とうそぶく裸の王様が居座る会社の行方は黄昏だろう。

2022年6月号 DEEP

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榊原定征元経団連会長はじめ財界要人を輩出してきた東レ(社長・日覺昭廣)で品質不正・隠蔽の全容が明らかになった。東レは今年1月、米国の第三者安全認証機関である「UL(アンダーライターズ・ラボラトリーズ)」から、樹脂製品の難燃性認証を不正に取得していたとして、弁護士からなる有識者調査委員会を設置。4月12日に報告書を公表した。問題の樹脂製品は家電製品や自動車部品の素材として使われ、樹脂・ケミカル部門の売上高は東レ全体の15%に及んでいる。不正の手口は悪質だ。ULは認証を受けた製品をバーナーで炙るなどして燃えにくさを検査しているが、樹脂製品を扱う樹脂ケミカル事業部は、1980年代半ばから、実際の製造過程では使っていない難燃剤を混ぜるなどした「替え玉」サンプルをULに提出。ULの検査をクリアしていた。

稀に見る酷い調査報告書

問題は品質不正が30年以上行われてきただけではない。樹脂ケミ ………

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