憂慮すべきは、「悪い円安」の責任があるアベノミクスや異次元緩和の検証がなし崩しに雲散しかねないことだ。
2022年6月号 BUSINESS
日銀の抱える「内憂外患」は深い。元首相の安倍晋三は5月9日、大分市の会合で、日銀を「政府の子会社」呼ばわりしたうえで、日銀が大規模金融緩和政策の下で、大量に買い入れている国債について「(返済の)満期が来たら、返さないで借り換えて構わない。心配する必要はない」と言い放った。折悪しく、日銀は翌10日には自らが決定した「指し値オペ」の常態化という方針に沿って、「財政ファイナンス」懸念からこれまで避けてきた政府による国債入札日当日のオペを実施。先達が苦闘の末に手に入れた日銀の独立性をコケにされたうえ、「子会社」発言が正しいと裏付けるかのように黙って国債を買い入れざるを得ない「屈辱」はいかばかりか。安倍元首相は昨年12月にも「(国の借金を)全部背負っているのは日銀だ。荒っぽく言えば、日銀は国の子会社だ」との発言が報じられており、確信犯だ。だが、日銀の独 ………
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