返還25周年を前に選ばれた新長官は中国治安部門が推す、初の警察出身者。親中派を完全掌握する国安法体制が完成。
2022年6月号 DEEP [習路線を貫徹]
中国共産党総書記と国家主席の3選を目指す習近平氏は、今年後半の第20回党大会に向けて自らの威信を高めていく必要があるにもかかわらず、国内経済の失速、極端なゼロコロナ政策による社会の混乱、ウクライナ戦争をめぐる米国との対立と苦境が続く。しかし、国家安全維持法(国安法)を導入した香港では強硬な習路線を貫き、民主派を徹底的に弾圧。親中派の極左統治体制下で香港がどうなるかは、中国の改革・開放政策に大きな影響を与える。
1国2制度を適用された香港特別行政区の首長であり、その政府を率いる行政長官の選挙が5月8日に行われ、現政府でナンバー2の政務官(閣僚)だった元警察幹部の李家超(ジョン・リー)氏が当選した。李氏は香港返還からちょうど25年となる7月1日から5年間、長官を務める。選挙といっても、各界代表で構成される選挙委員会(定数1500)による間接選挙。昨年9月に ………
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