「4回目接種」を急ぐ根拠なし/上昌広 医療ガバナンス研究所

日本のコロナ対策が異様なのは、厚労省や専門家が「季節性因子」を頑なに認めないこと。欧米の議論とかけ離れている。

2022年5月号 LIFE [「超過死亡数」が突出]

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4月6日、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大を受けて、厚労省のアドバイザリーボードは「リバウンドの可能性も懸念される」との見解をまとめた。さらに、4月8日には、コロナ感染症対策分科会が「急激な感染拡大が生じ、深刻な医療逼迫につながる可能性もある」という文章を盛り込んだ提言を出した。私は、このような主張に違和感を抱く。私が引っかかるのは「リバウンド」という文言だ。この言葉は、一般的に「はねかえること(広辞苑第6版)」を指す。ただ、医学的文脈で使われる時には、「治療や投薬をやめたあとに、急激に症状が悪化すること(同上)」を意味する。専門家は、まん延防止措置を解除したために、感染者が再増加に転じたと考えていることが分かる。マスコミも、この主張に賛同している。4月1日~7日の一週間の間に主要全国5紙(朝日、読売、毎日、産経、日本経済新聞)は「 ………

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