保守左傾 「習近平カラー」に陰り

中国の基本政策を掲げる政府活動報告は、習路線の左派色が後退。改革志向の李克強首相の巻き返しが目立った。

2022年5月号 POLITICS [バランス・オブ・テラー]

  • はてなブックマークに追加

中国共産党政権の基本政策は毎年秋の党中央委員会全体会議(5年に1度は党大会)で固まり、中央経済工作会議などでの討議を経て、翌年春の全国人民代表大会(全人代)で正式に決定される。社会主義体制なので、重要方針は全て党中央が決める。党の方針に沿って、国務院(中央政府)が具体的な施策を策定。国会に相当する全人代はそれをほとんどそのまま承認する。国務院や全人代の手続きは儀式のようなものだ。つまり、国務院が作って、全人代が採択する政府活動報告など主な公式文書の中核部分は、党中央指導部(政治局やその常務委員会)の意向が反映される。通常は、総書記として党中央を率いる最高指導者の考えが主軸となる。

消えた「国内大循環」主体論

特に先の全人代(3月5~11日)は、次期指導部の人事や政策を決める第20回党大会が今年後半に予定されていることから、習近平国家主席(総書記)が3選の布石として自分のカ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。