特別寄稿「台湾侵攻」できない中国の事情/河合雅司 人口減少対策総合研究所理事長

少子高齢化が進む中国は、社会課題が一気に噴き出す時期に差し掛かっており、戦争を仕掛ける余力はない。

2022年5月号 POLITICS [ 「未富先老」の現実]

  • はてなブックマークに追加

ロシアのウクライナ侵略が泥沼化したことで、中国が台湾併合に向けた戦略の立て直しを迫られている。中国は、ロシアが即座に勝利を収めたならば米国のプレゼンスが一段と低下し、台湾に攻め入っても各国からの制裁は限定的となると踏んでいた。米国を「共通の敵」とするロシア寄りの姿勢をとったのもこのためだ。ところが、西側諸国は民主主義が踏みにじられることへの危機感から過去にない強い結束力を見せ、ロシアの孤立は深まり、中国の思惑は崩れた。さらに、西側諸国の警戒は中国にも注がれるようになった。国際金融協会はウクライナ侵略以降、中国から投資マネーが大規模に流出したと指摘している。中国は、台湾についてしばらく静観せざるを得ないだろう。とはいえ、3期目の任期を目指す習近平国家主席は台湾併合を最大の目標にしている。英シンクタンクCEBRなどが「2028年にもGDPで米国を抜く」 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。