普段はおとなしい文科省が牙を剥く。「聞く力」が売りの首相が舐められ始めているのだ。
2022年4月号 POLITICS
政府は3月1日、新型コロナウイルスの水際対策の緩和に踏み切った。ビジネスや留学目的などの外国人の新規入国を約3カ月ぶりに認めたほか、1日当たりの入国者数の上限も引き上げた。国内外からの「鎖国」批判にさらされた末に決断した岸田文雄首相だが、今回は普段は吠えない文部科学省に突き上げを食らうなど、水面下で相当な攻撃を受けていた。「このまま国を閉ざしていては、日本は世界の留学生からそっぽを向かれてしまいますよ!」2021年冬、ある文科省幹部が首相官邸関係者に噛みついた。同年11月に政府は水際対策の厳格化を表明し、外国人の新規入国を原則止めていた。オミクロン型の流入を防ぐためだ。日本の水際措置は海外に比べてもかなり厳しかった。ビジネス関係者や技能実習生が入国できず、日本経済に深刻な打撃を与えたとの不満が経済界に充満した。同様に怒りの声を上げ始めたのが大学だ ………
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