「ロシアの侵攻に憂慮する」と「人権派CEO」クックは言うが、ビジネス面の対応は腰が重い。
2022年4月号 BUSINESS
「ウクライナの状況を深く憂慮している。危険に直面している人々のことを考え、平和を求めるすべての人々と共に行動する」。米アップルの最高経営責任者(CEO)、ティム・クックがツイッターにこう書き込んだのは2月24日のことだった。ロシア軍によるウクライナへの全面的な侵攻が始まると、即座に声を上げた。黒人や性的マイノリティーに寄り添い、積極的に発言してきたクックにとって、究極の人権侵害といえる戦争に反対するのは当然のことだったはずだ。だが、崇高な宣言から1日足らずで状況は大きく変わることになる。ウクライナの副首相兼デジタル転換相、ミハイロ・フョードロフが具体的な「貢献」を求めたからだ。
要求は異例ともいえる形で突き付けられた。2019年に28歳でデジタル転換相に抜擢されたフョードロフは「スマートフォンの中の政府」と呼ぶウクライナ政府のデジタル化の旗振り役を ………
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