「追加接種」遅延で「大量死」招いた元凶/医療ガバナンス研究所 上昌広

日本の現状は先進国で最低レベル。「官を慕い官を頼み、官を恐れ官に諂う」。そんな「お上頼み」で問題は解決しない。

2022年4月号 LIFE [[お上頼み」の悪弊]

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オミクロン株感染による死亡者が増加している。今年に入り、既に6427人が亡くなった(3月6日現在)。2月22日の死者数は322人で、第5波までのピークの216人(昨年5月18日)を大きく上回っている。なぜ、こんなに亡くなるのだろうか。それは、追加接種が遅れたからだ。追加接種は、オミクロン株対策の要だ。米ロサンゼルス市によれば、追加接種により感染リスクは44%、入院リスクは77%減少した。ところが、英オックスフォード大学が提供するデータベース「Our World in Data」によれば、日本の第6波のピークである2月9日までに追加接種を終えていたのは、国民の7.9%に過ぎなかった。昨年9月現在の日本の高齢化率(65才以上人口の割合)は29.1%だから、7割以上の高齢者が追加接種を受けることなく、第6波を経験したことになる。主要先進7カ国(G7)における、オミクロン株流行のピークの時点での追加接種 ………

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