菅の腹一つで派閥ができるのにダンマリを決め込んでいるのは、「第6波」と予算案審議の行方を見極めているから。
2022年3月号 POLITICS [台風の目]
前首相、菅義偉が鋭い眼力と屈託のない笑顔を取り戻した。毎朝、衆院赤坂議員宿舎を出ると1時間近くウオーキングをし、午前10時には衆院第2議員会館11階の自らの事務所に入る。その後は午後5時すぎまで、ひっきりなしに訪れる政治家や官僚、業界関係者らの対応に追われ、休憩する暇もない。菅義偉は、昨夏の東京五輪・パラリンピックの最中に新型コロナウイルス「デルタ株」による第5波が到来したことにより、猛批判を浴びて自民党総裁の座を追われた。政治的にも精神的にも追い詰められたが、転機となったのは昨年10月の衆院選だった。自らの選挙さえ危ういと感じていたが、街頭の反応は温かかった。多くの有権者が「大変な時期に首相を務め、お疲れ様でした」と労い、「おかげさまで家族全員ワクチンを打てました」と礼を言った。菅義偉に応援演説を求める中堅・若手議員も少なくなく、どこへ行っても ………
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