特別寄稿/評論家・中野剛志/「高インフレ」間違った処方箋

ここで歳出抑制という誤った薬を処方すれば、すでに三十年近いデフレで衰弱した日本経済に致命傷を与えるだろう。

2022年3月号 BUSINESS [「歳出抑制」という毒薬]

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米国では、昨年十一月の消費者物価上昇率が前年同月比6.8%、十二月には7.0%と約四十年ぶりの高水準に達した。時ならぬ高インフレは、国民の不満を高め、バイデン政権の基盤を揺るがせている。日本でも、十一月の企業物価指数が前年同月比9.0%と約四十年ぶりの高水準を記録し、十二月も前年同月比8.5%(速報)であった。この現下のインフレの原因とその対策を巡っては、米国で活発な論争が起きている。イエレン財務長官は、インフレは二二年後半には落ち着くだろうから心配はしていないと述べた(*https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-23/R30H4CT1UM0W01)。他方、サマーズ・ハーバード大教授は、積極財政には賛成だが、バイデン政権の財政支出は過大だったのでインフレが行き過ぎたと考えている(*https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-10-14/R0XS34DWRGG301)。FRB( ………

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