習近平「個人崇拝キャンペーン」は不調

異例の3選実現の布石として、自らに対する個人崇拝の強化に乗り出したが、党内の雰囲気は盛り上がっていない。

2022年3月号 POLITICS [威信高揚ならず]

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スターリンや毛沢東の例から分かるように、独裁者の長期政権は多くの場合、個人崇拝を伴う。皆が崇め奉るからこそ、最高権力を握り続けることができるのだ。中国の習近平国家主席(共産党総書記)も異例の3選実現の布石として、自らに対する個人崇拝の強化に乗り出したのだが、これがなかなかうまく行かず、党内の雰囲気は盛り上がっていない。「過去100年、党と人民が上げた成果は全て団結奮闘の結果である」「団結こそが力なのだ」――。習主席は1月30日、春節(旧正月)祝賀行事で演説。党中央委員会機関紙「人民日報」によると、団結という言葉を12回も使った。党が団結を欠いているからであろう。なぜ習主席がこのように感じるのか。それは、2期10年を超える権力維持のため、自分の威信を向上させる宣伝戦略の不調が関係していると思われる。

「二つの擁護」に「二つの確立」を追加

習主席は昨年11月の党中央委員会第6回全体会議(6中全 ………

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