欧州「原発回帰」のお寒い現実

原発をグリーン・エネルギーにカウントも、プラント製造の最大の担い手が経営難の皮肉。

2022年3月号 BUSINESS

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出鼻を挫かれるとはまさにこのことだろう。欧州連合(EU)欧州委員会が2月2日に原発と天然ガスを地球温暖化抑制につながる投資先と認めるタクソノミー(分類)法案を公表。各国の“原子力マフィア”は念願の「原発回帰」に歓声を上げたが、その矢先に原発ビジネスの機関車役であるフランス電力(EDF)の経営危機説が浮上した。2015年に事実上破綻した仏原発企業アレバへの再建支援などで劣化していた財務体質が限界に達しているのだが、引き金になったのはトラブル続きの最新鋭原子炉だった。EUが原発を温暖化抑制効果のあるグリーン・エネルギーに加えることを最初に報じたのは今年元日付の英フィナンシャル・タイムズ(FT)。21年の大晦日にEUが加盟各国に対し、原発と天然ガスをタクソノミー・リストに記載するという提案を送りつけたことをすっぱ抜いた。22年末までに最後の3基の原発を廃炉にし「脱原 ………

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