特に怒っているのは栗田照久監督局長。金融庁回りのエリートたちが「はじめの一歩」で躓いた。
2022年3月号 BUSINESS
「なんだこれ、聞いてないぞ!」――。金融庁内に幹部の怒声が響いたという。昨年12月22日、読売新聞と日本経済新聞が「第一生命、銀行代理業に参入へ」などとする「特報」をネットで流した。記事によると、業界2位の第一生命が今年半ばにも、預金や投資信託の契約といった銀行サービスの代理業を始めるという。業務システムは住信SBIネット銀行と楽天銀行が提供するが、銀行名は第一生命のブランドを付けるそうだ。死亡保険金を受け取った顧客に真っ先に接触できる強みを生かして「投信はいかがですか?」と勧誘する目論見か……。大手生保初の参入で、日経は翌朝刊1面に掲載。第一生命は華々しい打ち出しに成功した。だが同じ頃、金融庁幹部は怒りに震えていた。「にわかには信じがたいが、事前の根回しがなく、当局が報道で知る形となった」(関係者)とぶちまける。日経には、広報が事前レクチャーを行 ………
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