台湾の同業、TSMCに大きく引き離されたポンコツ半導体メーカーの社長が顕彰とはどういう了見なのか。
2022年3月号 BUSINESS
なぜ、今、この人に――。国民栄誉賞からレコード大賞まで、人々の功績・業績を称える顕彰行為にこんな疑問が湧くのはたいして珍しいことではない。ただ、中には「いくらなんでもそれはないだろう」と納得のいかない事例がある。今年1月27日、日経新聞朝刊に掲載された「内閣総理大臣賞 ルネサス社長に」という記事を見て、違和感を覚えた読者は少なくなかったのではないか。昨年来、台湾積体電路製造(TSMC)の日本進出と、政府による巨額支援(総額8千億円)は経済界の話題を独占した。これで浮き彫りになったのが、同業の国内最大手であるルネサスエレクトロニクスと、世界最先端を行くTSMCとの企業規模や技術水準の違いである。微細加工を競う半導体チップの製造工程で、日本のメーカーはTSMCだけでなく、韓国のサムスン電子にも2世代以上後れをとっている。それ以上に驚くのは2021年の年商規模。TSM ………
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