習近平が浸る 中華「大一統」の妄想

中華の地への「大一統」と夷狄に向けた「華夷秩序」に回帰した習近平に「世界の普遍的価値」を、どう説いたところでもはや無駄。

2022年2月号 DEEP [アナクロ回帰]

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昨年末に香港で行われた立法会選挙(新定数90)は、「愛国者による香港統治」を持ち出した中国政府の制度介入によって、1議席を除き親中派が議席を独占した。この2022年3月には香港特別行政区のトップを選ぶ行政長官選挙も行われるが、こちらは立法会選挙以上に民意が反映されない仕組みであり、実質的な意味はない。国際的に公約された「一国二制度」の設計によるならば、2017年から行政長官選挙には「高度自治」の原則を反映して「一人一票」の普通選挙が導入されるはずだった。この約束を北京が公然と反故にしたことで、香港で沸き上がったのが14年の「雨傘革命」である。北京を震撼させたあのエネルギーは、香港国家安全維持法の導入を経た中国本土式の弾圧で封じ込められてしまった。香港人が寅の干支を迎えるたびに口にしてきた「虎(フー)年は苦(フー)年だから」という広東語の語呂合わせが、 ………

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