連載 病める世相の心療内科

循環型世界のヒント「日本酒製造法」

2022年2月号 LIFE [病める世相の心療内科(61)]

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コロナの蔓延の初期に、医療機関は消毒用のアルコールが手に入らない事態に直面した。そこで厚労省も酒造メーカーの作った一定の濃度以上のアルコール飲料を消毒液とすることを許可した。早速、日本酒に少々アルコールを足して作った酒造会社製の消毒液が売り出された。単位当たりの値段はちょっとしたウイスキー並みに高かったが、私のクリニックでも手に入るだけ買い込んだ。数カ月して、どうやら、十分な量の消毒用アルコールが手に入るようになって、必要のなくなった酒造会社の消毒液が余りだした。そもそも、日本酒は発酵酒としては最も高いアルコール濃度にできあがるため、少しアルコールを足せば立派に消毒液になるはずで、言い換えれば、日本酒が元であるから飲めるはずだとふんだ。使用中もいい匂いを立てていた。まだ、コロナが収束を見せていないので、心なしか、後ろめたかったが、試しに ………

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