「反習近平」論文続出の謎

経済改革に積極的だった鄧小平に対する異例の忖度は、保守的な現行路線への不満が党内で大きいことを示している。

2022年2月号 DEEP [「改革派」に配慮?]

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中国の習近平国家主席(共産党総書記)は自らの威信を高める新しい党の歴史決議を採択させたことにより、異例の3選に向けた準備を本格的に開始した。ところが、その後、複数の公式メディアが鄧小平氏の改革志向を絶賛したり、習主席の名に言及しなかったりすることで、保守的な習路線に異論を唱えるかのような論文を掲載した。いったい、党内で何が起きているのか。

「人民日報」紙上で論戦?

中国共産党機関紙「人民日報」に掲載された「習近平」抜き論文(2021年12月9日)中国共産党機関紙「人民日報」が昨年12月9日の理論面に掲げた論文「改革・開放は党の偉大な覚醒である」は、「鄧小平」が9回、「江沢民」と「胡錦濤」が各1回登場するのに、「習近平」が全く出てこなかったことから、注目を集めた。この論文は、新歴史決議を採択した同年11月の第19期党中央委員会第6回全体会議(6中全会)の精神を学ぶキャンペーンの一環 ………

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