「名ばかり監査役」最高裁が痛撃

中小企業の非常勤監査役も高額の賠償リスクを背負い、その業務内容を見直せと迫る。

2022年1月号 DEEP

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経理担当社員の横領を見破れなかった監査役は、会社に対して賠償責任を負うのかが争点となった訴訟で、最高裁が「責任なし」の二審判決を破棄、審理を差し戻したことが波紋を広げている。裁判長を務めた裁判官が差し戻し審で検討すべき監査役の「任務懈怠(けたい)(怠ること)」を指摘するなど、中小企業に多いとみられる「名ばかり監査役」の業務内容見直しを迫る司法判断だったからだ。

社員横領金の賠償請求

訴訟の当事者は、軟包装資材の製造・販売を主業務とするA社と元監査役のBさん。ホームページによると、A社は1954年4月に創立され、千葉県内に本社を置く。資本金9600万円で、従業員約110人。1、2審判決によると、A社で経理を担当していた社員のCは2007年2月以降、計126回にわたり、A社の銀行口座から預金を自分の銀行口座へ移し替える手口で、総額約2億3500万円を横領した。一方、公認会計士で税理士の登録もし ………

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