後継者を決めないまま個人崇拝を強化する手法は、かえって長期政権の不安材料。「毛沢東回帰志向」に異論も。
2022年1月号 DEEP [習は毛に非ず]
中国共産党が11月11日、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)で採択した歴史決議は、習近平国家主席(党総書記)が2期10年を超える異例の長期政権を実現するための布石となっただけでなく、「ポスト習近平」人事との絡みでも注目された。毛沢東と鄧小平による過去の歴史決議採択がいずれも後継者の明確化を伴っていたからだ。毛主席時代の1945年に出された初の歴史決議は、党中央秘書長(幹事長に相当)だった任弼時が決議準備委員会の責任者、劉少奇や周恩来らがメンバーとなって起草し、中央委全体会議で採択。その直後に開かれた第7回党大会で劉が毛沢東思想を指導理念とする党規約改正報告を行い、毛より年下の指導者で筆頭格となった。また、党の公式説明によると、81年の歴史決議の起草作業は最高実力者の鄧と胡耀邦が主導。胡は当時、幹事長に当たる総書記だったが、歴史決議を採択した中央 ………
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