またぞろ「イオン」の筋悪買収癖

「ヒャッキン」と地方スーパーを手にする戦略が不明。肝心のデジタル戦略はお寒い限り。

2022年1月号 BUSINESS

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小売業界ですっかり影が薄くなったイオンがにわかに慌ただしい動きを見せている。2021年9月に中四国で店舗展開する大手スーパーのフジを買収すると発表。10月には100円ショップ大手で知られるキャンドゥを子会社化すると表明した。

節税対策に手を貸すだけ

イオンはM&A(合併・買収)で規模を拡大してきた歴史がある。このため「改めて小売り再編の中心になろうとしている」と見る向きもあるが、実際にはそれほどのインパクトはない。むしろ小売り各社が環境激変への対応を求められる中、旧態依然とした「悪癖」が再び顔を出したに過ぎない。今回の2つの案件を精査すると、その理由も見えてくる。まずは世間的に注目を集めたのは全国的に名を知られるキャンドゥの買収から。キャンドゥは1993年に創業者の城戸博司が設立、30年弱で全国に1千店以上を有する「ヒャッキン」業界3位の企業だ。しかし1位の「ダイソー」こと大創産 ………

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