死ねずに彷徨う「東芝の悲劇」

東芝が発表した「3分割案」を巡り、22年3月までに開く臨時株主総会は大荒れ必至。

2022年1月号 BUSINESS

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東芝の大株主でシンガポール拠点の資産運用会社、3Dインベストメント・パートナーズは11月24日、東芝が11月12日に発表した「3分割案」を「支持しない」とする書簡を東芝の取締役会宛に送った。3Dを筆頭に東芝の発行済み株式の過半を握ると見られる「物言う株主」が不支持で足並みを揃えれば、分割案は臨時株主総会で否決され、東芝再建は振り出しに戻る。死ぬに死ねない東芝は冥界を彷徨い続けることになる。

一度死んで再生した日航

「あそこで一度死んでおけば、楽になったはずなんだよ」東芝における会社と株主の泥試合が続く中、大型の再生案件をいくつも手がけてきた大物弁護士はこう呟いた。「死んでおけば」とは「法的整理」、すなわち会社更生法か民事再生法の適用を申請しておけば、という意味である。そして「あそこ」とは2017年12月。東芝が約6千億円の第三者割当増資を実施したタイミングだ。新株の発行数は発行 ………

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