追い風の岸田を襲う「4つの高波」

原油高騰、米国の利上げ、悪い円安に加えて中国経済の減速。時間との勝負で有言実行が求められる綱渡り。

2021年12月号 BUSINESS

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衆議院選挙で自民党が絶対安定多数を獲得し、岸田文雄首相は看板政策である「新しい資本主義」の実現や成長と分配の好循環など、経済政策キシダノミクスの具体化に動き出した。国民から信認を得て、ひとまず追い風が吹いているが、焦点は政策の実行力と効果である。だが、今冬には新型コロナウイルス感染症の第六波が襲来しそうで、原油高騰や日米欧などの金融政策の修正に伴う副作用といった難問が山積する。来年夏の参議院選挙に向け、目に見えた実績を示す時間は少ない。迫りつつあるマクロ経済危機に対峙しつつ、来春までの3~4カ月が第一関門になろう。「政権を待ち受けるのは政策実現の戦いだ。成長のための改革に大胆に取り組むとともに、分配の新たな仕組みを作って動かす」――。首相は選挙後の記者会見で語った。「スピードを政策の実行力に向けていく」とも述べ、予想以上の大勝に浮かれていら ………

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