「雇用はしっかり守る」片野坂全日空の土俵際

「JALの経営破綻後、業容拡大に突き進んだANAの弱さが決算に表れた」と冷ややかな視線も

2021年12月号 BUSINESS

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「必達」に掲げた通期の黒字はやはり叶わなかった。ANAホールディングスは10月29日、2022年3月期の連結最終損益が1千億円の赤字になりそうだと発表した。従来予想の35億円の最終黒字は達成できず、前期(4046億円の赤字)に続き2年連続の最終赤字に陥る。新型コロナウイルス感染の影響が夏場も続き、国内・国際線ともに利用の回復が遅れたためだ。ANAの片野坂真哉社長は「上半期のほとんどが緊急事態宣言の対象だったのが響いた」と弁明し、コスト削減へ25年度末までにグループ従業員を9千人減らす計画を表明した。だが、こうしたリストラ措置で事態を打開できるかどうかは予断を許さない。ANAが修正した今期連結業績予想は、売上高が前期比45%増の1兆600億円と、従来から3200億円下方修正され、営業損益は1250億円の赤字と1530億円下振れした。ANAはこれまで、7~9月の国内旅客数がコロナ禍前の19年比 ………

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