特別寄稿/評論家・中野剛志/日本国債のデフォルトはあり得ない

矢野財務次官は「何から何まで間違っている」。「財政赤字は解消すべきもの」という、疑う余地のない前提からして、もう間違っている。

2021年12月号 BUSINESS [危険なドグマティズム]

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矢野康治・財務事務次官の「財務次官、モノ申す、このままでは国家財政は破綻する」(『文藝春秋』十一月号)が注目を集めている。この中で、矢野次官は、「財政をあずかり国庫の管理を任された立場」を自認しつつ、次のような煽情的な表現で、日本が財政破綻に向かっていると警鐘を強く鳴らした。「あえて今の日本の状況を喩えれば、タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなものです。氷山(債務)はすでに巨大なのに、この山をさらに大きくしながら航海を続けているのです。タイタニック号は衝突直前まで氷山の存在に気づきませんでしたが、日本は債務の山の存在にはずいぶん前から気づいています。ただ、霧に包まれているせいで、いつ目の前に現れるかがわからない。そのため衝突を回避しようとする緊張感が緩んでいるのです。このままでは日本は沈没してしまいます」そして、矢野次官は、 ………

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