矢野財務次官は何から何まで間違っている!/日本国債はすべて円建て/財政破綻はあり得ない/評論家 中野剛志

号外速報(10月26日 08:55)

2021年11月号 EXPRESS [号外速報]

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矢野康治・財務事務次官は「財務次官、モノ申す、このままでは国家財政は破綻する」(『文藝春秋』11月号)の中で、「どんなに叱られても、どんなに搾られても、言うべきことを言わねばならないと思います」と言う。ならば、私も遠慮なく言わせてもらおう。この論文は、何から何まで間違っている、と――。矢野論文は「財政赤字は解消すべきもの」という前提で議論を進め、日本の財政破綻を危惧している。だが、この前提からして、もう間違っているのだ。

日本国債にデフォルトの気配は皆無

家計や企業であれば、債務を返済できなくなる事態に陥ることはあり得る。しかし、国家は、家計や企業とは異なり、自ら通貨を発行できる。自国通貨建てでの債務は、通貨を発行すれば返済できるのだ。ゆえに、国家財政の赤字を、家計や企業の赤字と同じように考えてはならない。これは、国家財政論の初歩である。財務事務次官であれば、当然知ってい ………

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