天野二三男、麦島善光両氏の責任は重い。如何に裁かれるのか。刑事司法にとって試金石になる。
2021年11月号 DEEP
死者26名、行方不明者1名を出した静岡県熱海市の土石流災害は、熱海市盛り土流出事故被害者の会代表の刑事告訴を受けた静岡県警が、強制捜査に乗り出す動きを見せている。事故発生から3カ月以上が経過した。前所有者の天野二三男・新幹線ビルディング社長、現所有者の麦島善光・ZENホールディングス社長とも、弁護士を通じて見解を述べるだけで、謝罪等は行なっていないが、捜査の行方によっては、告訴事案の業務上過失致死罪(天野氏)、あるいは重過失致死罪(麦島氏)といった実刑を伴う重い罪に問われる可能性が出てきた。代理人を務める加藤博太郎弁護士が説明する。「今回の事故は、26名もの方が亡くなっている。それは天災ではなく人災で引き起こされた。そこに事件の本質があります。証拠の土砂が流され不法投棄の立証が難しいなど、立件へのハードルは高い。でも、盛り土崩落が全国的な問題と ………
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