連載 病める世相の心療内科

「モノづくり」運動の抗うつ効果

2021年11月号 LIFE [病める世相の心療内科(58)]

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動物にとって最も大切な臓器は脳ではなく筋肉であろう。動かずば餌は得られず、逆に捕食者に狙われやすく、筋肉は生死に直結している。ただ筋肉の役割はそれにとどまらない。マイオカインという筋肉が動くときに放出される物質が最近のトピックである。20~30種ぐらい知られており、免疫力を高めたり、がんを抑制したりするもの、脳の機能を高めるものもあるとされる。運動が抗うつ効果を持つことは経験的に知られているが、精神を安定化させる物質も筋肉から分泌されることが確かめられている。そして、運動することで筋肉と脳とが一体化し、脳の正しい判断能力を培い、自我が鍛えられてゆく。言い換えると運動しなければ自我の機能が弱くなるのである。しかるに、この頃の日本人は身体を動かすことをしなくなっている。「いや、スポーツジムに行っている」、「子供はサッカークラブに入れている」と、 ………

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