「ドットコム・バブル」を超えたVC投資。行き場のない巨額マネーが危険領域に流れている。
2021年11月号 BUSINESS
「あの会社がまさか……」9月初め、国内有数のファンドを運営するベンチャーキャピタル(VC)の幹部は驚きを隠せなかった。バイオベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)が米投資会社のカーライル・グループなどから340億円を上回る資金を調達したとのニュースが飛び込んできたからである。
スパイバーは慶応義塾大学出身の関山和秀代表執行役が同窓生と2007年に設立したベンチャーで、クモの糸から着想を得たタンパク質素材の開発を進めてきた。軽量で丈夫、さらに植物由来のバイオマスを利用して発酵させて製造するため環境にも優しいというのが売り物だ。既にスポーツ用品大手のゴールドウインなどがスポーツウエアに採用し、トヨタ自動車系の部品メーカーを通じて自動車の内装部品の材料として売り込むことも視野に入れる。前途洋々に見えるが、水面下で出資の打診を受けたというVC幹部はその財務 ………
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