難民問題をテコに各国を揺さぶり欧米を分断する中口など専制国家のしたたかな思惑。
2021年10月号 DEEP
ポーランドが9月、共産主義政権時代の1981年以来初めて非常事態宣言を発令した。国境を接するベラルーシから数千人の移民や難民が押し寄せているため、兵士や装甲車まで動員し、自国への流入阻止に動いた。ベラルーシからは6月ごろからリトアニアにイラクなどの移民が流入するようになり、ポーランドやラトビアにも広がった。少数だがアフガニスタン難民も含まれる。反体制派の弾圧を巡って欧米から制裁を受けるベラルーシのルカシェンコ政権が組織的に移民を送り込んで各国に圧力を掛けている疑いが濃厚だ。ルカシェンコ大統領は8月23日、ロシアと、アフガニスタンと国境を接する中央アジア諸国が加盟する集団安全保障条約機構(CSTO)の会議でこう言ってのけた。「アフガニスタンの人々はシリアやイラク、リビアからの移民の波に加わり、我々の国を通過して西側に向かうだろう」。ベラルーシはアフガ ………
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