「NHK改革はプロパーの会長では無理」。菅の悲願は受信料の義務化を通じた事実上の「国営放送化」だった。
2021年10月号 DEEP [誰もやりたがらない]
安倍晋三から菅義偉が受け継いだ官邸による「一強支配」が、終焉を迎えるのか。この先どう変わるのか。来る自民党総裁選や総選挙における国民の関心事はそこにあるのだろう。その官邸一強支配は、NHKにとって積年の宿題だといえる。島桂次のあとNHKの天皇と崇められた海老澤勝治(87)は、政府与党と渡り合いながら、1997年7月31日から7年半という長きにわたり会長を務めた。だが、紅白歌合戦の担当プロデューサーによる制作費の不正支出をきっかけに発覚した一連のスキャンダルが、受信料の不払い運動に発展し、2005年1月25日に退任する。次の橋本元一(77)は技術畑のクリーンな会長と称され、NHK改革を担った。しかし皮肉にも、それがさらなる政治介入を招いたともいえる。「NHKでは橋本さん以降、プロパーの理事や幹部職員が会長に就いていません。橋本会長は身ぎれいなだけに、政治の感覚が欠如し ………
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