連載 病める世相の心療内科

コロナ巣ごもりとミドリガメの死

2021年10月号 LIFE [病める世相の心療内科(57)]

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畑をやっている。畑まで川沿いの堤防の道を行く途中で時々、のそのそ歩くミドリガメをみつける。外来種だから飼育できないが、見過ごすこともできず捕獲した。甲羅が15センチもあり、妙に愛嬌がある。始末するのも忍びなく、たらいに入れておいた。しかしある日、堤防の道でまたミドリガメに遭遇した。17センチもあり、やはり見過ごせず始末もできず、たらいに入れておいた。この先を思案しているうちに今度はもっと大きい20センチもあるミドリガメに出合った。日本の河川はミドリガメに席巻されているのだ。環境上放置はできず、3匹ともたらいの中にしばし居てもらった。見れば大中小それぞれ個性があり、15センチの亀はたらいの壁をよじ登ろうとしきりに動き回る。17センチの亀はいつも隅のほうでじっとしている。20センチの大亀は、たらいの中央に作った甲羅干しの島に居座り、ほかの亀を水の中に追 ………

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