5期連続赤字の「ゴミ箱」信組に異例の救済。金融庁はいつまで延命治療を続けるのか。
2021年10月号 BUSINESS
2009年に450億円の公的資金が注入され、現在、経営再建中の「山梨県民信用組合」(甲府市)が迷走を続けている。6月下旬に発表した21年3月期決算では約88億円の不良債権処理を実施し、当期純利益は28億円の赤字と異例の5期連続赤字を記録してしまった。同時に18年度から3カ年の経営改革プランの結果を公表。驚くべき事実が発覚し、業界に波紋を広げた。全国の信用組合を束ねる業界団体「全国信用協同組合連合会」(全信組連)から山梨県民信組に対し、総額159億円もの巨額資金贈与が18年度~20年度にかけて実施されたというのだ。159億円といえば上位地銀の年間純利益額に匹敵する。3年前、全信組連の理事長で大蔵省OBの内藤純一らが理事会で、異例の「資金贈与」を決定したという。そもそも、信用組合とはどのような金融機関か。出資者(組合員)を構成員とする互助組織で、全国に現在、145組合がある ………
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