日本を牽制する中ロそれぞれの思惑。その場しのぎの対応ではいいようにやられるだけ。
2021年9月号 DEEP
北方領土問題を巡って中国がロシア寄りの姿勢を示したことに日本政府が危機感を強めている。反米で結束を深める中ロが対日でも結託するという日本外交の悪夢が現実になりつつあるのか。背景を探ると、中ロの思惑のズレが浮かんでくる。ロシアで3月、ある事件が起きていた。大統領ウラジミール・プーチンが外相セルゲイ・ラブロフを叱責したのだ。17年も外相を務めて欧米と渡り合ってきたラブロフは余人をもって代えがたいロシア外交の正に顔。一体何があったのか。
ロシア外務省関係者によれば、ラブロフが3月に中国南部・桂林で中国外相の王毅と会談した時に発表した共同声明の内容が問題になった。民主主義についての記述に、「原則は法により規定された人民の支配であり、合法的な目的のために与えられた権力においてすべての市民は国の統治に参加できる」などと、中国共産党の一党支配体制の正当 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。