森進一ワールド わが世代の心の履歴書
2021年9月号 LIFE [世は歌につれ⑰]
始めがあれば必ず終わりが来る。この連載もこれが最終回で、これまでお読みいただいた方々にまず御礼を申し上げたい。間もなく喜寿になる私は7歳のころにはもう歌謡曲を歌っていたから、70年もの間、あまり高尚な趣味とは思われぬ世俗的なことにどっぷりとつかってきたわけである。たくさんの歌を聴き、たくさんの歌手に気持ちを寄せ、そして幾つかの歌の作詞もしてきた。だれの歌をたくさん聴いてきただろう、歌ってきただろうと考えてみた。ファンとして一番聴いてきたのはその人の人生について本を書き、告別式で弔辞を読むことになった島倉千代子である。しかし私は彼女の歌を歌うことはない。生前、「人前で私の歌を歌わないでね」と釘を刺されたことがあるからだ。なぜそう言われたのかいまだに分からない。*我が身の過ぎし日を思うと、節目節目に記憶とつながる歌があった。そして社会に出たこ ………
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