兆円規模の新基金を目指す経産省に、 財務事務次官は「またバカが出てきた」と拒否反応を示す。
2021年9月号 BUSINESS
「今回ばかりは本腰を入れてやらなければなりません!」最近、経済産業省の幹部の一人は、今夏の概算要求に向けた調整の場で与党幹部にこう訴えた。それは半導体産業の国内誘致だ。世界的な半導体不足を背景に米国や中国など主要国が半導体の供給網強化に動くなか、日本も遅ればせながら半導体確保に向けた産業振興に乗り出したのだ。半導体は日本企業が過去に「敗戦」した鬼門の産業。経産省は性懲りもなく新たな失敗の種をまこうとしている。 「検討している段階だ」――。 半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家最高経営責任者(CEO)は7月15日の記者会見で、日本での工場新設についてこう語った。世界大手TSMCの誘致に水面下で関わっているのが経産省だ。TSMCに加え、半導体を使う需要家である日本の有力企業に声をかけて出資を含めた連携を呼びかけている。政府は6月に閣議決定した成長戦 ………
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