ただでさえ官邸色の強い会長と見られる前田の局内における求心力は下がる一方。おまけにその経営手腕も評判が悪い。
2021年9月号 DEEP [籾井のほうがよかった!]
「この場をお借りしておわびを申し上げます」菅義偉首相はさる8月6日、広島市で開かれた原爆の平和記念式典で「唯一の戦争被爆国」などの文言を記した肝心な原稿を読み飛ばした。式典後の記者会見で陳謝した模様が新聞や民放テレビで報じられた。が、NHKのニュースウオッチ9は、式典をトップニュースで流しながら、そこの部分だけはカット。「菅様のNHK」の本領発揮といったところだろうか。菅は官房長官時代からNHKに対し、受信料の引き下げと経営の効率化をしきりに訴えてきた。そんなプレッシャーのなか、2020年1月5日にNHKの会長に就任したのが、前田晃伸(76)である。前田は安倍晋三の財界応援団「四季の会」のメンバーでもあり、局内では、NHKの会長就任は安倍政権時代の官邸人事でもあった。官邸から送り込まれた会長というイメージが強い。当人は富士銀行頭取として興銀や第一勧銀との統合を果 ………
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