自民党の自滅を待つ「受け皿」野党に期待できない以上、今の政治を変える潜在力を秘めるのは小池という劇薬しかない。
2021年8月号 POLITICS [夢よ、もう一度!]
「皆さんいろいろネタにしていただいているようだが、頭の片隅にもありません」小池百合子東京都知事が7月9日、自身の国政復帰について記者会見で持ち出した表現は事実上の復帰予告と受け取っていい。政界用語の常識として、これは「頭のど真ん中にある」時に用いる伝統的な慣用句だからである。少々ウンチクを傾ければ、本来は衆院解散について現職の首相が使う。言い出したのは昨年まで連続在職日数で歴代首相最長だった佐藤栄作だ。佐藤は在任中2度衆院を解散したが、事前に記者から問われると「頭の片隅にもない」と答えていた。解散後、ウソをとがめられて、しれっと答えたのが「真ん中」発言だ。これを安倍晋三前首相が約半世紀ぶりに復活させた。政界の故事来歴に詳しく、大叔父の言い回しをちゃっかり借用したのだ。一度「片隅にはない」と言い間違えたこともある。退任後に「いつ解散しようか ………
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