「核のゴミ」最終処分場候補に手を挙げた本音は洋上風力利権。内部分裂を抱えたまま町長選へ。
2021年8月号 BUSINESS
北海道寿都町の7月は牡蠣のシーズンだ。新型コロナウイルスの感染拡大が小休止。土休日ともなると、産卵前のぷっくらとした身に栄養を蓄えた牡蠣を振る舞う店の前に札幌ナンバーの車の行列ができる。もっとも、道都札幌からはるばる3時間かけてやってきた客人たちが車のドアを開けると、牡蠣より先に海からの強風が出迎える。この地に日本人が住み始めてから150年ほど。強すぎる風は何度も町に大火を招く厄介者だ。
それをカネに変えようとしてきたのが、2001年以来、この町のトップであり続ける町長の片岡春雄だ。寿都湾の沿岸には、多くの風力発電機が立ち並び、勢いよく羽根を回して、町に売電収入をもたらしている。寿都湾に面した漁村からなる寿都町は町域が狭い。これ以上、陸上に新しい発電所を作り続けることは難しい。そこで、片岡が新たな稼ぎ役として目を付けたのが、洋上風力だった。19年 ………
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