前田会長による人事案が外部に漏れ、菅首相や武田総務相は介入を否定するが、当初案が差し戻されたのは間違いない。
2021年7月号 POLITICS
去る4月の役員(副会長、理事)人事が、日本放送協会(NHK)を強烈に揺らしている。てっきり任期満了で退任すると思われていた専務理事の板野裕爾(67)が再任された。「首相官邸の力が強く働いた差し戻し人事だ」と予想外の逆転人事について、NHK局内が騒然としたのである。会長の前田晃伸(76)にとって今回は、就任以来2度目の大きな役員人事だ。今も局内の動揺が収まらない。前田は三菱商事出身の上田良一(72)に代わり、2020年1月25日にNHKの会長に就任した。放送法上、表向き会長の任命権は12人の外部有識者で構成される経営委員会にあるが、前田は事実上、安倍晋三前首相の「指名」により会長に就いた。元JR九州会長で、当時NHKの経営委員長を務めていた石原進と同じく、安倍の財界応援団「四季の会」のメンバーでもある。官邸の意に従い、公共放送の運営をしてきたとされ ………
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