連載 病める世相の心療内科

プロセスがあるから人生は面白い

2021年7月号 LIFE [病める世相の心療内科(54)]

コロナ下の巣ごもり状態で、ふと旅に出たい衝動に駆られることはないだろうか。誰しもこの閉塞した状況から抜け出したい思いを抱えている。それは、人間が動物であることを示すものでもある。動物はサンゴのような例外を除けば、ことごとく動く存在で、筋肉を使って動くことで調子を上げられるように設計されている。動かしたほうが関節の痛みが減ることを経験した人は少なくないだろうが、筋肉は動くことで抗炎症物質を出す。以前にも述べたが、アフリカのサバンナで自由に暮らしていた野生のヒヒを、衛生管理が行き届き食料などが潤沢な保護区に隔離したとたん、次々とストレスを起因とする体調の異常で死んでいったと、サポルスキーというストレスの研究者が報告している。動物は閉塞によるストレスに加え運動不足によっても命を縮めてしまう。だから、閉塞した状況でも筋肉を動かすことが重要である ………

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