「欧州AI倫理規制」の猛威来襲

米中の激烈なレースに「人間の尊厳」という巨大な岩石を投げ込み、リングをひっくり返した。

2021年6月号 BUSINESS

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欧州連合(EU)が4月21 日に発表した人工知能(AI)規制案が、データを扱う世界の企業を揺るがしている。警察などの公権力による生体認証の活用や、企業活動にかかわる分野での利用制限など、その対象は極めて広範にわたる。要はAIを開発できるからといって、企業や政府が技術を勝手に使うことは許さない、という厳しいルールである。産業の競争力を高めるために政府が技術開発を後押しするのなら素直に理解できる。だが、EUが突き進むのはその正反対の道だ。米国や日本など他の先進国に先がけて、なぜEUは企業の技術開発を縛る規制を打ち出すのか。背景にあるのは、「マシンによって人間が支配される」という恐怖心だ。神が創造した「自然の摂理」に対して、人間が生み出した技術、つまり「人の技」が行き過ぎれば、神の子である人間の尊厳が逆に阻害される、という欧州の伝統的な考え方である。欧州の ………

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