特別寄稿 日本を滅ぼす「三つの思い込み」 by 麗澤大学教授 川上和久

「財政再建」「民尊官卑」、そしてバカげた「平和主義」が、我が国の存立を危うくするだろう。

2021年6月号 BUSINESS

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剣術では「手元が狂う」ことを厳に戒める。相手との勝負で、柄を握った手元がもし1ミリでも狂ったとしたら、切っ先は数センチ狂うことにもなる。たかが数センチだが、真剣勝負では相手の急所を外れてしまう。政治は、「時系列の真剣勝負」だ。そのときのちょっとした手元の狂いが、30年先、50年先に大きな災禍として国民を苦しめることになってしまいかねない。手元を狂わせるのが「思い込み」だ。120年近く前の日露戦争。我が国は、叡智を結集して、奇跡的に大国ロシアに勝ったが、それを決定づけた1905年3月10日「奉天の会戦」での「包囲撃滅」の成功は、その後の陸軍の「包囲撃滅」への「思い込み」を生み、重装火力や縦深陣地に対応できずに多くの犠牲者を出しての敗退を余儀なくされる結果となった。同じく1905年5月28日「日本海海戦」での連合艦隊のバルチック艦隊に対するパーフェクト勝利は、海 ………

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