コロナ接触アプリ「一部返金」でお茶濁す愚

なぜ知見に乏しい業者に委託したのか。そこを追及しないと失敗の本質は改まらない。

2021年6月号 BUSINESS

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日本は新型コロナウイルスの蔓延防止の切り札として導入を急いだ感染者接触通知アプリ(COCOA)作りに失敗。米GoogleとAppleが提供する接触通知APIを組み込むだけの軽作業すらまともにできないIT劣等国であることが露呈してしまった。顛末を調べた検証結果報告書は、発注者と開発の元請けの知見と責任感のなさを指摘したが、無責任の極みは、元請けであるパーソルプロセス&テクノロジーが受託金3億9千万円の一部、1200万円を自主返納すると言い出し、それを厚生労働省が受け入れたことだ。反省点を次につなげるためには不具合や不履行の原因を突き止めることこそ重要なのに、どうしてこんな不様な真似がまかり通るのか。曖昧な責任の取り方が常態化すれば公共事業の請負業社のモラルは低下し、事業自体の信頼性が失われる。COCOAはスマホ間でやりとりができるブルートゥースという通信技術を使い、半径 ………

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